アイロンで火傷したときの便利アイテム10選｜適切な応急処置も

ガスコンロやアイロン、ホットプレートなど家電製品は意外と熱を持ったり加熱したりするアイテムが多いです。他にもヘアアイロンやドライヤー、炊飯器などいくらでも思い付きますよね。家電製品を扱っているとちょっとしたトラブルで火傷してしまうことも。

家電製品が原因の火傷は多数報告されており、家庭内での怪我の大きな部分を占めています。中でもアイロンはとても火傷しやすい家電製品です。ちょっと扱いを間違えただけですぐ火傷してしまいます。

そんなアイロンで火傷したときにどうすればいいのか、応急処置の方法や対処法、そして火傷後のケアまでさまざまな角度から解説します。ちょっとした火傷だからと油断せずに、しっかりと適切な処置を施してくださいね。

アイロンの温度設定は生地に合わせて弱・中・強の3種類があります。アイロンの弱は80～120℃でシルク生地向けの温度です。中は140～160℃でレーヨンやポリエステル生地にアイロンをかけるときに使用します。

強は180～210℃で綿や麻生地へのアイロンをかけるときに使います。どの温度でも触れれば火傷するので、アイロンを使用するときにはしっかりと注意を払ってください。

火傷は熱や化学物質が皮膚や体表面に接触することで起こります。通常は表層の皮膚がもっともダメージを負いますが、重症のケースでは体表面だけでなく脂肪や筋肉など体内深部にまでダメージが及ぶこともあります。

火傷によって組織が傷付くと、ダメージを負った血管などから体液が漏れ出し腫れます。また体表面で微生物の侵入を防ぐバリア機能が失われるため、感染症を引き起こしやすくなります。

狭い範囲をアイロンで火傷してヒリヒリしているだけのケースは、Ⅰ度熱傷と呼ばれもっとも軽度の火傷に分類されます。火傷したらすぐに流水で数分から数十分ほど患部を冷やしましょう。その後、ワセリンや火傷用の軟膏を塗り、絆創膏やガーゼで患部を保護してください。

軽度の火傷はまず、簡単な手当で様子を見ることをおすすめします。「火傷した範囲が広い」「水ぶくれができる」「患部の皮がめくれる」などの場合は皮膚科を受診してください。

アイロンで火傷した場合の応急処置方法について解説します。素早く応急処置して、症状が重い場合は病院に行って診察してもらいましょう。軽い火傷以外は放置せず、病院への受診がおすすめです。

火傷を起こしたなら、まずは流水で患部を冷やしましょう。火傷の程度にもよりますが、よほどの軽度でない限りは、15～30分ほどしっかりと冷却することが大切です。このときに患部に直接流水を当てると痛みますので、患部よりやや上に流水が当たるようにしましょう。

もし衣服を着た状態で火傷した場合は、衣服の上から流水で冷やすのが適切な処置です。無理に脱がせようとすると皮膚が衣服について、剥がれてしまうことがあるからです。

アイロンで手足を火傷した場合は、水道を出し続けた状態で流水に当てて患部を冷やします。顔や首など水道で流水が当てられない箇所の場合は、シャワーで水をかけ続けましょう。また氷水で冷やしたタオルを患部に当てることも効果的です。

目や耳を火傷した場合は、保冷剤や氷を包んだ冷たいタオルを患部に押し当てましょう。氷や氷嚢を直接患部に当てると冷えすぎて、凍傷を起こす恐れもあります。タオルなどを挟んで冷やしてくださいね。

火傷が軽度の場合、ケアは軟膏や抗生物質などを塗るだけで十分なケースが多いです。抗生物質軟膏は剥がれた体表面を保護して感染症を予防してくれます。患部は、傷口に当たらない加工がしてある非固着性のガーゼなどで保護するのがおすすめです。

軟膏を使用するときは適量を塗るようにしましょう。必要以上に多めに塗っても効果は変わりません。石けんで洗うなどして、手を清潔にした状態で塗ってください。

水ぶくれはつぶしてはいけません。水ぶくれは表皮の下に体液がたまってできるものです。水ぶくれをつぶしてしまうと真皮層が空気に触れてしまうために、感染症のリスクが増します。もし潰れてしまったら、抗生物質軟膏などを塗ってケアしてください。

またつぶれると、火傷の跡が残りやすくなります。水ぶくれができてしまった場合は、絆創膏やガーゼなどで保護するようにしましょう。水ぶくれが大きく痛みが激しい場合は、病院に行って受診することを強くおすすめします。

火傷した場合、患部から浸出液が出ることで水やタンパク質が漏出します。重傷の場合は脱水や低タンパク血症になることもあります。また患部の再生にはタンパク質が必要です。普段の食生活でタンパク質を摂取するように心がけてください。タンパク質の摂取には肉・魚・豆類がおすすめです。

傷の治癒を促進すると言われるビタミンやミネラルも、普段の食生活で積極的に摂取することをおすすめします。バランスのいい食生活でしっかりとケアしましょう。

火傷跡を治す方法で、もっとも手軽かつポピュラーな方法がグラインダー治療とされています。高速回転するグラインダーで皮膚の表面を削り取る治療方法です。グラインダー治療は色素沈着などの軽い火傷跡に治療に適していますが、深い火傷の跡の治療には不向きです。

治療後に皮膚の色が黒っぽく変わることがありますが、数ヶ月かけて少しずつ正常な色に戻るります。

レーザー治療は火傷跡にレーザーを照射して、皮下のコラーゲン生成を促す治療法です。皮下のコラーゲンを生成させることで火傷跡を治します。レーザー治療もグラインダー治療と同じく、軽度で浅い火傷跡向けの治療法となります。

レーザー治療は1回で完了せず、数回の治療が必要です。必要な治療回数については火傷跡の状態によって異なります。まずは皮膚科でカウンセリングを受けてみることをおすすめします。

ケロイドなど重傷の火傷跡の治療に適しているのが皮膚切除などの治療です。手術で火傷跡を切除して縫合するため改善効果の確実性は非常に高いです。しかし広範囲に及ぶ火傷跡の場合は、手術も数回に分けて必要となることがあります。

重傷な火傷跡に悩んでいるならぜひ検討したい治療法です。病院でカウンセリングを受けて、専門家に相談することをおすすめします。

アイロンで火傷したときに何より必要なのは、最初の適切な応急処置です。流水や氷水、保冷剤などで患部をしっかりと冷やすことを心がけてください。時間が経った後も適切なケアをすることで治りが変わってきます。タイミングと重症度に合わせてしっかり処置してくださいね。